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| ◆ 税務調査Q&A Vo10 |
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今回は、税務調査で否認を受けないための対応策と誤りやすい事例について述べてみたいと思います。
Q1 寄附金について否認を受けないための対応策について教えてください
A1 寄付金について否認を受けないための対応策としては以下の内容が挙げられます
(1) 国等に対する寄附金の場合
① 採納の有無の確認
税務上、国等に対する寄附金とは、国等において採納され、最終的に国等に帰属するものをいうとされています。 従って、法人が地元の公立小学校のパソコンやテレビ等を寄附したが、採納手続が行われておらず、PTAや教職委員の管理になっているような場合には、税務上国等に対する寄附金とは認められません。国等に対する寄附を行う場合(特に物品で寄附を行う場合)、正式な採納手続を経ているかどうかを確認し、採納されたことを証明する資料を入手しておく必要があります。
② 自己に便益が及ぶ寄附ではないかどうかの確認
国等に対する寄附金であっても、その寄附により、特別の利益が寄附した者に及ぶようなものについては、税務上国等に対する寄附金とは認められず、その費用は繰延資産とされます。例えば、自社工場前の公道が未舗装であり、資材の搬入などに支障があるため、その公道の舗装費用を国等に寄附をしたような場合がこれに該当します。法人は、搬入作業がスムーズに行われる等の便益を受けるために寄附を行ったわけですから、その費用を繰延資産として計上する必要があります。なお、繰延資産として計上した場合には、その償却期間は、その寄附した施設等の法定耐用年数の10分の4(その施設を寄附した者が専ら使用するものである場合には10分の7)とされています。
③ 個人的な寄附金ではないかどうかの確認
法人が国等に対する寄附を行っても、その寄附が、本来その法人の代表者や役員個人が行うべきものである場合には、その費用の額はその代表者や役員個人に対する賞与となります。例えば、代表者の子息が通っている公立高校からその代表者個人で寄附を行うべきところを会社名で寄附を行い、また、その法人とその公立高校とは、業務的にも地域的にも一切のつながりがないような場合等がこれに該当すると考えられます。
④ 私道を国等に寄附した場合の注意事項
法人が、専らその有する土地の利用のために設置されている私道を国等に寄附した場合には、その私道の帳簿価額をその土地の帳簿価額に振り替えるものとし、その寄附をしたことによる損失はないものとされています。これは、私道の利用に係る土地の効用は、寄附の前後において何ら変わりはなく、私道を寄附してもそのことにより、法人は、何ら損失を被っていないという理由からです。
(2) 指定寄附金、特定公益増進法人等に対する寄附金の場合
① 指定寄附金、特定公益増進法人等に対する寄附金に該当するかどうかの確認 指定寄附金、特定公益増進法人等に対する寄附金については、その他の寄附金とは別枠で損金算入が認められていますが、これらの寄附金に該当するか否かを、領収書や寄附の申出書等により確認する必要があります。
② 指定期間等の確認
指定寄附金や特定公益増進法人等に対する寄附金の場合、その寄附について課税上の特例が認められる期間が定められています。これらの寄附を行う場合、指定寄附金についてはその指定期間内に、特定公益増進法人等に対する寄附金の場合は、その団体が特定公益増進法人等とされているかどうかを確認する必要があります。
(3) その他の寄附金の場合
① 寄附金の支払日の確認
寄附金は、現実にその支払いが行われた事業年度において計上すべきものであり、寄附金の未払計上は税務上認められません。また、寄附金を手形で支払った場合には、税務上寄附金とされる日は、手形を振り出した日ではなく手形の決済が行われた日となります。したがって、計上した事業年度内に現実に支払いが行われているかどうかを領収証、受領証等より確認しておく必要があります。
② 交際費等に該当するものはないかの確認
寄附金として計上されているものであっても、その寄附の相手先が得意先、仕入先、株主等の事業関連者であり、何らかの直接的な見返りを期待して、金銭や物品等を交付した場合には、その交付に要した費用は、寄附金ではなく交際費に該当する場合がありますので注意が必要です。
③ 親子会社間取引について、低額譲渡・高価買入の有無の確認
親子会社間取引においては、その取引価額の決定においては、恣意性が介入する余地が大きく、低額譲渡、高価買入となる場合が多く見られます。税務調査の際には、その取引価額の妥当性につき、特に第三者間取引と比較して調査されますので、その算定根拠につき、明確に説明できるように準備しておく必要があります。また、子会社等に対する債務免除、金利減免などの支援は、子会社の倒産を防止するためやむを得ず行われるものですから、合理的な再建計画に基づくもの以外のものについては寄附金とされます。したがって、経営不振の子会社を支援する場合には、合理的な再建計画に基づいて支援が行われているかどうかを確認する必要があります。
④ 他科目に計上されている費用のうち寄附金に該当するものはないかどうかの確認 交際費、広告宣伝費、会費、販売促進費、雑費等の勘定科目のなかに、事業との関連性が希薄な者に対し、見返り等の反対給付を期待せず、一方的に支出されるものがあれば、そのような支出は税務上寄附金に該当する可能性があります。そのような性質の支出が含まれていないかどうかを確認する必要があります。
Q2 寄付金勘定には、どのような否認事例や誤りやすい事例がありますか
A2 寄付金勘定には、以下のような否認事例や誤りやすい事例があります
(1) 寄附金の計上時期の誤り
領収書等を確認したところ、実際の支出日が翌事業年度であるものを当事業年度の寄附金として処理していた事例。
(2) 指定告示期間外の寄附等
官庁の告示した指定期間の後に支出した寄附金を指定寄附金として処理していた事例。 また、特定公益増進法人の証明書類(当該寄付金を支出する以前2年以内に発行されたものに限る)の確認をしないで、以前のまま特定公益増進法人に対する寄附金としていた事例。
(3) 採納手続の有無の確認漏れ
国等に対する寄付金として処理されているものの内容を検討したところ、正式な採納手続きがなされていないことが明らかになった事例。
(4) 開発負担金の処理
開発行為の許可条件に従って支出した費用は、当該開発行為によって取得する資産の取得価額又は公共的施設の設置費用として繰延資産の額とすべきものであるのにもかかわらず、指定寄附金等としていた事例。
(5) 国外関連者に対する寄付金
海外子会社など国外関連者に対する寄付金については、その支出額が損金不算入となるにもかかわらず、その他の寄付金として損金算入度額を計算していた事例。
(6) 政治団体に対する寄付
政治団体に対する寄付金を交際費又は会費として処理していた事例。
(7) 架空寄附金の計上
現金払い、且つ領収証が手書きである寄附を行った経緯に対する説明も不十分である寄附金につき反面調査を実施したところ、その寄付は架空であり、会社の簿外資金として保留されていたことが明らかになった事例。
(8) 修正申告を行った際の限度額計算の誤り
修正申告により所得金額が増加した場合には損金算入限度額が増加するのに調整していなっかた事例。
(9) 確定申告書への記載
指定寄附金等は、確定申告書にその明細の記載があり、証明書等を保存している場合に限り損金算入が認められるにもかかわらず、その記載がないまま、税務計算上、指定寄附金等に該当するものとし損金算入していたもの(但し、宥恕規定あり。)
内田
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