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税務調査Q&A  Vo4  

今回は、棚卸資産勘定について税務調査における目のつけどころ等を紹介していきたいと思います。棚卸資産についても税務調査においては売上勘定 仕入勘定とともに最も重要な調査科目の1つとなります。その理由は、棚卸資産はその額が多額になる場合が多く、その多寡により、課税所得が大きく影響を受けるからです。 
また、棚卸資産は、取引先など外部への影響を考えることなく会社の内部だけで容易にその計上額の調整が可能であること、また調整をしたとしても翌期に戻しいれられるため、翌期にはその調整が治癒されることから、利益調整の手段として利用されることが高い科目だからです。


Q1 棚卸資産勘定の目のつけどころとしてはどのようなものがありますか?

A1 売上高に対応する売上原価の計算要素として期末棚卸高がありますが、売上原価の計算上期末棚卸高が過少に計上されれば当期の売上原価は過大に計上されることとなります。したがって、税務調査においては、期末棚卸計上額が過少となっていないか、すなわち、簿外の棚卸資産はないか、棚卸資産の過小評価はないかがポイントとなります。具体的には以下の3点を中心に調査が行われます。

(1) 棚卸除外はないか

これは、期末の棚卸数量を意図的に除外する不正行為です。棚卸除外は売上原価が過大計上されるのはもちろんのこと、棚卸除外により生じた簿外資産をさらに簿外で売却したり、翌期に棚卸除外分に見合う架空仕入を計上してつじつまを合わせるといった不正につながる行為である。 税務署の調査担当者はまず、棚卸除外の有無に調査の重点を置きます。

(2) 棚卸資産の数量、評価は過少ではないか

計算誤りなどにより期末の棚卸数量が過少になっていないか、また単価については税務署に届け出た棚卸の評価方法により計算がなされているか、また、単価が過少に計上されていないかがポイントとなります。

(3) 評価損、廃棄損の計上は妥当か

評価損は内部的に計上ができるため、その妥当性について検討を行います。 すでに、市場価値がないような棚卸資産については廃棄した上で廃棄損を計上する場合がありますが、調査においては廃棄の事実の有無、計上時期の妥当性について検討を行います。


Q2 棚卸資産について、税務署の担当者はどのように調査を進めるのですか?

A2 調査担当者によって進め方には相違はありますが、概ね次のような点を中心に調査を進めていくものと思われます。

(1) 棚卸資産計上までの過程の聞き取りをする

期末棚卸高は通常、実地棚卸をして、そこで把握した数量に単価を付して棚卸表を作成、棚卸表における集計額を期末棚卸として計上します。このような過程において、いつ、誰が、どのように実地棚卸をし、把握した数量を集計し、単価を付けたのか、ということを聞き取り不審点はないかを調査します。

(2) 実地棚卸の際の原始記録を確認する

実地棚卸の際に使用した棚卸票、メモ書きなどの原始記録を把握し実際に棚卸を行っているか、原始記録における数量と最終的な棚卸表における数量とに差異はないか等を検討します。

(3)  棚卸資産の保管状況を現場に臨場して確認する

棚卸資産の保管状況を確認するため、倉庫や資材置き場などに臨場し調査日現在の資産の状況、長期滞留商品の有無、商品受払の手続き、現場における作成帳簿等を把握します。


(4)  期末前後の売上、仕入から期末数量の妥当性を検討する

(5)  調査日現在の商品有高から期末数量の妥当性を検討する

特定商品について調査日現在の有高を把握し、次に決算日から調査日現在までの売上、仕入数量を把握することにより、期末棚卸高の妥当性を検討します。

(6)  預け在庫の計上漏れの有無を検討する

業者の倉庫に預けてある商品が漏れているケースが頻繁にみられるため、倉庫保管料などの計上の有無を確認したあと、預け在庫の全部または一部が簿外となっていないかを確認します。 また、仕入先や外注先に預けてある商品や原材料、仕入先が発送し当社にまだ到着していない商品(未着品という)などについて漏れていないか検討します。

(7) 仕入単価などから期末評価の妥当性を検討する

棚卸資産の評価について税務署に届け出た方法により正当に計算されているかを検討します。また、購入に際しての付随費用が棚卸資産の取得価額に適正に含まれているかについても検討します。

(8) 評価損計上の妥当性を検討する

(9) 廃棄損計上の妥当性を検討する

実際に当該棚卸商品が期末までに廃棄されたかどうかを確認するためまず、その商品を廃棄した理由を聞き取ります。その後、廃棄業者から受領した原始記録や社内稟議書など廃棄の事実が明らかとなる資料から、計上の妥当性を検討します。


内田



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