|
3月も終わり法人決算の時期が今年もやってまいりました。 そこで、今回は決算時の節税対策について取り挙げたいと思います。
1.決算時の節税・税金対策①(未払い費用)
未払いの費用の計上漏れはありませんか?
取引先から請求を受けた費用で当期に対応する部分については、実際に支払っていなくても当期の経費として計上します。
税務調査で正しく説明出来るように、請求書等の資料はしっかりと管理しておくことが大切です。
また、給料等の締め日が20日の場合、21日から月末までの支払い分についても経費計上が可能です。
ただし、役員報酬は日割り計上できませんので、対象外です。
未払いの費用を漏れなく計上しましょう。
※未払いの費用の例…家賃・保険料・賃借料・利息etc…
決算日現在未払いであるが、発生している経費については、当期の経費に計上できます。
2.決算時の節税・税金対策②(固定資産税・償却資産税)
固定資産税や償却資産税を未払計上していますか?
固定資産税を分納している場合や支払期限が未到来の償却資産税の納付書がある場合、 未払い分も経費にできます。
つまり、固定資産税や償却資産税は、納税通知書が送付された日の属する事業年度において、未払計上することで、全額が経費に計上することができるというわけです。
3.決算時の節税・税金対策③(保険)
役員退職金・従業員退職金用の保険は掛けていますか?
法人で契約する保険には、支払保険料の全額又は一部を経費に計上できるものがあります。
具体的には、長期平準定期保険、養老保険やがん保険等は、保障の面だけでなく、節税にも効果のある保険があります。
また、保険料を年払いにすると節税効果がアップします。
節税と福利厚生目的の両方を達成できるのがメリットであり、自社の福利厚生制度に合致した商品があれば契約を検討するのもいいと思います。
なお、退職金規程をきちんと作成しておきましょう。
※従業員の場合は、中退共(中小企業退職金共済)と保険との2階建てが一般的な形です。
4.決算時の節税・税金対策④(不良在庫)
売れ残りの在庫等の不良在庫はありませんか?
売れ残り在庫はできるだけ売り切りましょう。
売却できない不良在庫は、廃棄もしくは評価損の計上を検討しましょう。
評価損の計上時には、時価の根拠をきちんと説明できるように注意してください。
5.決算時の節税・税金対策⑤(消耗品)
すぐ使用するような消耗品を購入していませんか?
消耗品に関しては、一定数量を取得し、かつ、経常的に消費する場合、その消耗品を棚卸とせずに、取得時に全額経費として計上ができます。
ただし、期末時に一時的に大量に購入したものなどは、当期の経費として計上ができません。
ですから、少なくとも決算日2ヶ月前からの決算対策が大切になるのです。
このような消耗品とは、具体的に、
・事務用消耗品 ・手袋等の作業用消耗品 ・包装材料 ・広告宣伝用印刷物 ・見本品 などがこれに該当します。
なお、パソコンの備品等に関しては取得価額が10万円未満であれば、 減価償却計算せずに、一時に経費に計上できます。
10万円以上の備品等の場合、資産に計上しなければなりません。
しかし、取得価額が20万円未満であるなら、一括償却資産として3年均等償却(3期で経費計上)できます。
※ただし、取得&事業の用に供した備品等に関しては、30万円未満なら事業供用時に全額経費として計上することができます。(青色申告等の要件が必要です。)
6.決算時の節税・税金対策⑥(決算賞与)
決算賞与の支払いを検討しませんか?
従業員へ賞与を支給した場合には、原則として、支給日に、会社の経費に計上することになります。 例えば、賞与の計算期間が12月から6月分を、7月10日に支給というような場合には、7月10日に経費に計上することとなります。
しかし、一定の要件を満たせば、実際に支給していない賞与を未払計上することが認められます。
このためには、次の3つの要件をすべて満たす必要があります。
①その支給額を各人別に、かつ、同時期に支給を受けるすべての社員に通知していること。
⇒通知した金額を通知した従業員全員に必ず支給しなければなりません。 つまり、通知した日から支給日までの間に退職した従業員に対して、支給しないということはできません。 支給日時点で、支給することが確定していますので、支給しなければ、決算賞与の要件に該当しないこととなります。
②上記の①で通知した金額をその通知したすべての社員に、その通知した日の事業年度末の翌日から1ヶ月以内に支払うこと。
⇒3月決算の会社であれば、4月30日までに決算賞与を実際に支給しなければいけません。 これを過ぎると、通知日(当期)ではなく、支給日(翌期)で、経費計上することになります。
③その支給額について通知した事業年度に経費として計上していること。
⇒決算書にきちんと経費として計上しましょう。
決算賞与についてよくある質問
①決算賞与の通知手続きはどうすればいいの?
決算賞与については、税務調査時に通知をしたかどうかの確認が必要となるので、書面で決算賞与を通知するようにしましょう。
たしかに、社長が口頭で従業員に伝えても上記の要件は満たしますが、税務調査で問題になる可能性があります。
決算賞与の書面通知方法としては、2通りの方法があります。
1つ目の方法は、個別に決算賞与支給明細を渡す方法です。
2つ目の方法は、決算賞与一覧表を作成し、従業員に提示する方法です。 この場合、従業員から確認の押印又はサインをもらうようにしましょう。 いずれの場合でも、決算賞与については、通知日が問題になります。
日付をきちんと入れることを、忘れないでください。
②決算賞与に対する源泉徴収税額の算出方法はどうすればいいの?
賞与の場合の源泉徴収税額は、給与と金額が異なります。
この金額を計算する場合に使う数字は、次の2つです。 ・前月の給与の総支給額から、非課税の通勤手当等と社会保険料を控除した金額 ・扶養親族の数
この2つの数字を、源泉徴収税額表(賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表)に当てはめると、税率がわかります。
その税率を、賞与額にかけて、源泉徴収税額を計算します。
ただし、前月の給与がない場合、又は、前月の給与の10倍以上の賞与を支給する場合には、毎月の給料計算で使う「給与所得の源泉徴収税額表(月額表)」を使うことになります。
7.決算時の節税・税金対策⑦(社員旅行)
決算対策として社員旅行を検討しませんか?
決算対策として、社員旅行に行くという会社もよくあります。
通常、社員への給料となり、社員に所得税がかかるのですが、次の要件を満たす場合には、社員旅行が福利厚生費として処理することができます。
滞在日数が4泊5日以内
全社員の参加割合が50%以上であること
例えば、社員旅行の期間が5泊6日を超えますと、これは福利厚生の範囲を超えているとされ、その費用は税務上、旅行者本人に給与として支給されたことになります。
もちろん、給与となれば社員本人に所得税がかかってしまいます。
これを上記の2要件を満たしておけば、会社は経費に計上でき、本人には所得税がかからなくて済むというわけです。
社員旅行は最近では海外に行く場合も少なくありません。 そういう場合4泊6日となることがあります。
この場合は、目的地での滞在日数が4泊5日を超えなければよいとされます。
以下のようなケースは福利厚生費とはなりませんのでご注意ください。
・。旅行費用が高額なとき・・・給料とみなされる可能性があります。 ・。特別豪華なホテルへの宿泊・・・交際費になる可能性があります。 ・。特別豪華なレストランでの食事・・・交際費になる可能性があります。 ・。常識を超えた遊興・・・交際費になる可能性があります。 ・。不参加の社員へ金銭を支給する・・・給与となります。
上記に気をつけて、社員旅行はなるべく福利厚生費に範囲で収まるようにしましょう。
旅行費用の金額としては、一般的に、1人あたり10万円以内が一つの目安となります。
処理方法についても質問がよくありますのでまとめておきます。
処理方法
1.福利厚生費として処理(社員本人に所得税の課税はありません)
2.給与として処理(社員本人に所得税が課税されます)
①特定の社員を対象として行った場合 ②自己都合による不参加者に費用相当額を支給する場合 ・・・・ 参加者・不参加者全員が給与課税 ③会社都合による不参加者にのみ費用相当額を支給する場合 ・・・・ 不参加者は給与課税、参加者は給与課税なし
3.交際費として処理(税金計算上、経費に計上できる金額が制限されます)
①会社が得意先・仕入先を旅行に招待した場合
②製造業者が、卸売業者の行う小売業者招待旅行費用の全部又は一部を負担した場合
4.広告宣伝費として処理(交際費に含める必要ありません)
①製造業者・卸売業者が抽選により一般消費者を旅行に招待した場合
②製造業者・販売業者が一定の商品等を購入する一般消費者を 旅行に招待することをあらかじめ広告宣伝して、その者を旅行に招待した場合
最後に社員旅行に関して、税務調査の対策をご紹介しておきます。
社員旅行の税務調査対策
社員の人数が多くなると、社員旅行の金額も大きくなり、 税務調査で必ず質問されます。
税務調査のときに困らないように、旅行の日程表やパンフレット、 参加者のリストなどを残しておくようにしましょう。
内田
|
[ HOME ] [ もどる ] |